厳 爽

やん しゅあん

プロフィール

宮城学院女子大学生活文化デザイン学科准教授、博士(工学)
日本建築学会高齢者・障害者等居住小委員会委員
日本建築学会福祉施設小委員会福祉施設のあり方WG

専門

環境心理学の視点から高齢者の生活行動特性の研究
高齢者の在宅生活を支える地域のあり方の研究
高齢者(特に認知症の方)のための住まい環境・ケア環境研究

連絡先

〒981-8557仙台市青葉区桜ヶ丘9-1-1 宮城学院女子大学
TEL(FAX) 022-277-6133
E-mail: yan@mgu.ac.jp

メッセージ

1997年から認知症高齢者のための住まい環境についての調査、研究を積み重ねてきました。初めはグループホームをフィールドとして、認知症高齢者の生活行動特性と空間の使われ方を環境行動心理学の視点から分析してきました。その後、特別養護老人ホームで暮らす認知症の方々、地域に支えられ在宅で暮らす認知症の方々を対象として、その暮らしや環境を調査させていただきました。それらを通し、認知症を患っても、適切な生活環境とケアサポートがあれば、グループホームや在宅など、多くの暮らし方や暮らしの場の選択が可能であるということを多くの実例を通して教えていただきました。その一人ひとりにとって最もよい生活の環境づくり、それを支える地域づくりのあり方に関する知見やノウハウを、多くのフィールド調査を通して得ることができました。それら成果や知見を、ぜひとも現場に発信し、また還元していきたいと思います。
昨年からは精神科病院における認知症高齢者の生活実態についての調査にも着手しています。

主な著書・論文

・ 厳爽:認知症高齢者の在宅生活を支えるネットワークケアの構築に関する事例考察 
日本建築学会計画系論文集 NO.642  2009年8月

厳爽,米内千織:平面分析による空間構成に関する考察 -全国調査を通してみた認知
症高齢者グループホームの現状に関する基礎的研究 その1
日本建築学会計画系論文集 NO.624 2008年2月

・ 厳爽,石井敏:継続的な視点からみた痴呆性高齢者グループホームの環境とその変容に関する研究
日本建築学会計画系論文集 NO.569  2003年4月

○ケア環境づくりに関する実践

平成14年より千葉県にある特別養護老人ホーム「風の村」にて行われた「千葉県ユニットケア施設職員研修」で「生活づくりの工夫」セッションを担当しました。まずは「高齢者の生活を支えるよりよい環境とは」をテーマに講義を行い、その後は既存施設の環境づくりという設定のもと、受講生による環境づくり演習を指導しました。

○ケア環境づくりに関する研修の実績

施設職員研修での環境づくり演習では、受講生を4つのグループに分け、施設にある日常生活用品及び受講生が自ら持ってきた小物を用いて、既存施設の「4人部屋」、「個室」、「リビング」、「廊下」の4カ所の模擬しつらえを実演してもらいました。すべてのしつらえが終わった後、グループ別にプレゼンテーションをし、講評を行いました。この演習を通して、受講生自身が「生活感覚」を持つことで、どのような施設でも「施設空間」を「生活空間」に変えることができると実感することが出来たようです。
同様な演習を他県(高知県)の職員研修でも行いました。

ケア環境づくりアルバム

作業前のディスカーション時間
「生活環境づくり・しつらえの工夫」プログラムでは、身近の雑貨小物を使って「施設環境」を「生活環境」に変える演習をしました。さり気ない工夫で、素っ気ない廊下も素敵な喫茶コーナーに早変わりすることができるなど、既存施設でもすぐ取り入れられそうなしつらえの工夫を受講生と一緒に考えました。

医務室を「個室」と仮定したしつらえ演習
具体的な利用者像を想定し、その方の身体能力や趣味及び生活習慣に沿って、その方らしい個室をしつらえました。ここでは、具体的な利用者像の設定と「その方らしさ」をもっとも大切に考えながらしつらえを工夫しました。

[更新日:2010/03/10]

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